第10回 春トマト (野菜と言うよりフルーツ)

本来トマトの旬は夏である。
ハウス栽培による周年出荷から旬の特定はむずかしくなったが、春トマトの出回るこれからをあえて「第2の旬」と呼びたい。
季節が冬から春に少しずつ置き換わる時期に、赤ピンクに映える春トマトが増加し、冬野菜にやや飽いた私の目にも口にも「食べて欲しい」と切々に訴える。
近年、桃太郎等の完熟タイプの品種が増え、またアンデス原産で雨に弱い点をハウス栽培で補い、水分を絞りこみ糖度・旨みを濃縮したトマトは、野菜というより正にフルーツそのものである。

そして話題のリコピン・カロテン・アミノ酸を豊富に含む緑黄色野菜の代表選手のトマトは、野菜での生産量世界1位、日本での売上もトップなのも頷ける。
美味しいトマトの選び方は、
  @ずっしりと重く
  A色濃く張りがあり
  Bへたの反対側に放射状の縞がはっきり等である
がカットする時は中身を潰さぬよう、切れる包丁でスパッと願いたい。

桃の節句のひな祭りには、桃の花とピンクの桃太郎で小さな春を迎えたい。


河北新報夕刊 「食彩マルシェ」 掲載分