第13回 水ぶき (早春の香りとほろ苦さ)

日本原産の野菜は、独活・山葵・芹・三葉・楽京・山芋・韮・山椒など20種類程度と数少ないが、お馴染みの「スジ〜の通った蕗」もその一つである。 いずれも独特の季節の香りを楽しませてくれる。
蕗と言えば愛知・秋田等が有名であるが、三陸の本吉地区から出荷される蕗は柔らかくとても美味しい。
特に出始めの時期は、灰汁が少なく、苦味も淡く、そして柔らかで、早春のほろ苦な風味を爽やかに運んでくれる。

ほろ苦さを味わえるのは、日本人の特権かもしれない。
蕗だけ煮ても美味しいが、さらに、筍・きのこ・ジャコ・独活・こんにゃく・山菜・油揚・人参などの冷蔵庫にあるものと一緒に煮付けると、色々な味が楽しめてよい。
味付けは我が家の味ということで適当でいいが、最初から濃い味にしない事と、煮過ぎは風味が飛ぶので留意。

ちなみに、ふきとのう(バッケ)は蕗の花蕾であるが、雌花と雄花とがあり夫々花色が異なるので、土手の陽だまりで、ご覧ください(雌花は白色、雄花はクリーム色)。


河北新報夕刊 「食彩マルシェ」 掲載分