第14回 たけのこ (北端の宮城産 鮮度が”命”)

青果物が周年出荷される日本で、これぞ旬と言えば「松竹梅」の松茸・たけのこ・梅ぐらいで、天候に左右され易く、出荷時期が短く鮮度維持が難しく、そして季節を十分に感じさせてくれる品々である。特に竹の子ほど旬を大事にする青果物は少ない。
なにしろ「竹」冠に「旬」と書いて筍(たけのこ)なのだ。 漢字検定の血統証付である。

宮城の筍は丸森・名取地区から多く出荷されるが、南北に長い日本列島で宮城は北端の産地と言われ、全国で一番遅い旬を迎える「終わり初物」である。

新物は九州から年内に出始め、本州を北上しやっと宮城に筍前線が移動する。
中には食べ飽きたと言う人もいるが地元産の旬が本当の旬と言える。
なにしろ、旬を味わうには、地域毎の季節や思い出も関係するし、また筍は鮮度が命で、美味しさは距離と時間の二乗に反比例する。

そしてこの時期は価格もお手頃となり、財布にも優しい。
一寸食べ飽きだけど旨い。 旨いのに安い。 

ぜひタイミングを逃さず宮城の旬を愛でてください。旬と恋は、常に現在形ですから。


河北新報夕刊 「食彩マルシェ」 掲載分