第19回 梅 (申年の梅干しは格別の味)


今年は申年。「申年に梅干を漬けるとよい」「申年の梅干は体にいい」と言われている。
平安時代、申年に漬けた梅干と昆布茶で村上天皇が病を治したこと、また申年は古来から天変地異が起きると言われ、梅も不作となり貴重であるからとのこと。
実際申年の梅の作柄は悪いことが多く不思議なものだ。
梅干には赤しそが使われるが、梅が豊作だと赤しそが高値となり、不作だと赤しそが安値となる。 つまり、梅干の色付に使われる赤しそは、相棒の梅が不作だと余り気味となり安値に。 

ちなみに梅の作柄は、前年が不作であったが、今年は作柄がややいいようである。
 「梅干には着色料を使ってないの?」との質問があるが、梅・赤しそ・塩のトリオが真っ赤な色を表現する。
梅を塩蔵すると梅酢が出るが、塩もみした赤しそに梅酢を合わせると、赤しそに含まれるアントシアン系の赤色素が、梅酢の酸性で理科の実験のように真っ赤に発色する。
苺ジャムを作る時にきれいな赤色を出すためレモンを加えるのも同理由。

梅の出荷期も終盤に入るが、「病気など悪い事が去る年」の願をかけ、ぜひ申年の梅干作りにチャレンジしましょう。


河北新報夕刊 「食彩マルシェ」 掲載分