第38回 根ミツバ(春を感じる独特の香り)

日本古来のハーブ「ミツバ」は、名前のとおり三つの葉を持つ香り高い野菜である。
ミツバには、一般に出回る緑色の「糸ミツバ」(水耕栽培が多い)、遮光し茎が軟白な「切りミツバ」、そして土寄せし株を大きくし翌年に根を付けて出荷される「根ミツバ」がある。
糸ミツバが一般向け、切りミツバが料亭向けに対し、根ミツバは旬の家庭料理のイメージか。
1年かけて育った根ミツバはボリューム感があり、軟らかく、春の香りを運んでくれる。一度食べると人に教えたくなる野菜だが、栽培に手間・期間がかかる上、食べたことのない人も増えており、やや減少気味なのは残念だ。
ミツバをお吸い物や和え物に一寸交ぜただけで、独特な香り(クリプトテーネンと言うそうな)が料理を生き活きとさせる。この香りは神経を静め、ストレス改善に効果があるとも言われる。
特に根ミツバは、お浸しや卵とじの簡単料理で、ボリューム感と香りの両方を楽しむのがお薦め。
 
河北新報夕刊 「食彩マルシェ」 掲載分