第39回 蕪(ほんのりと甘さが魅力)

「かぶ」の名は、根の形を頭(かぶら)に見立てたことに由来する。
春の七草「すずな」「すずしろ」は「かぶ」「大根」を意味するが、他の五草が野生の草なのに対し、日本書紀にも栽培奨励が記されるほど古来から栽培されてきた野菜だ。
かぶは、大根同様「アミラーゼ」「ジャスターゼ」の消化酵素を豊富に含み、七草粥に使われるのも理にかなっている。昔は根よりも「すずな(菜)」というように菜の方が重視され料理された。葉の部分はほうれん草や小松菜と同様、緑黄色野菜の一つで栄養豊富である。
選び方は、形が丸く整い、肌の色艶良く、葉がピンと伸びて緑鮮やかなものがよい。
葉を付けたままだと鮮度が落ち易く、切り離して霧吹きで水分を与え冷蔵庫で保存がベター。もちろん早めに使い切ることが味にも鮮度にも一番大切。
春のかぶは、ほんのりとした甘さ、しっとりとした滑らかな舌触り、軟らかさが売り物。仙台近郊の地物が出回るので、ぜひ、浅漬・サラダ・クリーム煮なんぞで味わいたい。
 
河北新報夕刊 「食彩マルシェ」 掲載分